新聞配達愕然とする

新聞を入れ忘れるときがある。
これを不配もしくは不達という。

朝刊配達を終え
販売所に戻って支給の朝ご飯を食べていると
団地の誰それさんから不配との連絡を受ける

早速届けに行ったのだが
そのポストの前に立つと
今朝、入れたか入れてないかというのは
意外と憶えているものだ。

私は今日、確かにココに入れた。

まあ、そんなことは言ってもはじまらないので
ピンポーンとチャイムを押した。

 
ドアが開き
いつも神経質そうなおばあさんが
今日はさらに暗い顔で出る。
ひとり暮らしだったように思う。

すみませんでした。と言って新聞を渡し
祝日だったので学校もなく、
アパートに帰って寝ることにする。

お昼ぐらいだったろうか
バラバラというヘリコプターの音で目が覚める。

どうも近くらしい。
あたりが騒がしい。

チャリを走らせ行ってみると
団地で火事だとのこと
そして壁がすすけているその窓は
今朝、私が不配で届けたその家だ。
焼身自殺らしいと聞こえてくる。

今日は敬老の日だった。

普段は忘れているが
時々思い出すたび何ともいえない気持ちになる。
あのとき何か声をかけていれば良かったんだろうか。
何か話がしたくて新聞配達を呼んだんだろうか。
最後に会った人が私だったんだろうか。

新聞配達愕然とする」への4件のフィードバック

  1. こんばんわ、いつも楽しみに訪問させてもらっています。ほほたさんは新聞配達なさっていたんですね。実体験なので大変リアル感有ります。ぜひシリーズ化を期待します。

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  2. 村林さん、コメントありがとうございます。
    自宅ではほとんどパソコンしないので
    返事遅くなりましたー。
    長かった連休開けたら仕事たまってさあ大変
    どじょうがでてきてこんにちは
    またよろしくです。

    いいね

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