司馬遼太郎「竜馬がゆく(六)」
P236
この段階で竜馬は西郷に、
「長州が可哀そうではないか」
と叫ぶようにいった。
(中略)
奇妙といっていい。
これで薩長連合は成立した。
(中略)
一介の土佐浪人から出たこのひとことのふしぎさを書こうとして、筆者は、三千枚ちかくの枚数をついやしてきたように思われる。事の成るならぬは、それを言う人間による、ということを、この若者によって筆者は考えようとした。
全八冊の終盤で、このくだりを読んだ当時の私は、少しおどろいた。
それまで“筆者”が突然現れる小説は読んだことがなかったからだ。
同時に、充分に納得した。
気がつくとNHKの「竜馬伝」が終了している。
録画してるのがたまってるから見なくちゃな。
それよりもこの日曜から「坂の上の雲」第2部が始まるらしいじゃないですか!
気がついて良かった〜。