高校の頃から好きな人がいた。
1コ下の学年だった。
彼女に好きな人がいるのは知っていたので
片思いだったのは間違いない。
私が田舎を離れてからは手紙をやりとりし
1年後彼女が上京してからは、こちらで幾度となく会って
例えば待ち合わせに1時間も遅れてしまった時でも
待っててくれた。
ある日、海に行きたいと言った。
江ノ電に乗って冬の海を見に行った。
察するに彼との思い出の地らしかった。
何年かたったクリスマスイブに新宿で飲んで
終電が無くなった彼女はうちへ来て
そこで私は打ちあけてあっさりふられた。
そんな朝も容赦なく朝刊配達はやってくる。
配達から戻ると彼女は消えていた。
ダメだったけどスッキリしている。
思いを伝えた自分を褒めてやりたい。
数年後、風の便りに結婚したことを聞いたが
この風はどこから吹いてきたんだっけ?